領事情報~安全情報~海外安全対策情報(2019年10月~12月)
令和2年1月14日
1 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)治安情勢
2017年1月以降,南東部を除くトルコ全土において,死者を伴うテロ事件の発生は認められておらず,概して治安情勢は安定傾向にあると言えます。特に,アンカラ中心部及びエセンボア空港においては,トルコ治安当局による各種テロ対策が功を奏し,死者を伴うテロ事件が2年以上発生していないこともあり,2018年11月2日,同地域に発出されていた「危険レベル1:十分注意してください。」が解除されており,治安は安定しています。
10月9日,トルコ軍は,シリア北部に「安全地帯」を設置し,トルコ国内にとどまるシリア難民を自国に帰還させるため,同地域を支配するクルド人勢力等の排除を目的とした軍事作戦(平和の泉)を開始しました。これに対し,反対勢力からは,シリアと国境を接するトルコ南東部のシャンルウルファ県やマルディン県に対して反撃の砲撃も行われ,民間人の死者も発生しました。
また,トルコ治安当局による対テロオペレーションにより,現在も多くのテロ関係者が拘束されている現状を踏まえ,テロ等の発生には引き続き十分な注意と警戒が必要です。
(2)一般犯罪の傾向
ア 2007年以降の犯罪統計は公表されていないため,犯罪傾向を分析することは困難ですが,一般治安情勢が悪化しているとは認められません。
イ 日本人が巻き込まれやすい犯罪としては,イスタンブール等の観光地におけ る窃盗(スリ,置き引き,ひったくり等)及び詐欺(じゅうたん・宝石の押売,ぼったくりバー等)が挙げられます。
2 殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
期間中,日本人の被害は報告されていません。
他方,過去には邦人女性を狙った性犯罪が発生しています。
見知らぬ人に安易に付いて行かないなど,自ら危険を回避する行動が必要です。
3 テロ・爆弾事件発生報告
期間中,日本人の被害は報告されていません。
また,2017年1月以降,南東部を除き死者を伴うテロ事件の発生は認められていませんが,警察や政府機関等の施設,外国人が多く集まる場所,大型ショッピングセンターや公共交通機関等の人が集まりやすい場所等はテロ行為の対象となる可能性があります。最新の治安情報の入手に努めるとともに,不審な状況を察知したら速やかその場所を離れるなど安全確保には十分に注意してください。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
期間中,日本人の被害は報告されていません。
5 その他在留邦人,邦人企業が注意すべき事項
(1)南東部では,軍事作戦(平和の泉)に対する報復テロの可能性がある爆発事案が発生しています。今後,アンカラなどの都市部におきましても同様のテロ事案等が発生する可能性は否定できませんので,引き続き十分な注意と警戒が必要です。
(2)2020年1月3日,米軍の空爆により,イラクのバグダッド空港付近にてイランの革命ガード高官等が殺害されたことを受け,1月8日,イランは,報復として,イラク国内の米軍基地等に対し,ミサイル攻撃等を実施しました。当面の間,トルコを含む中東地域では,これに関連して不測の事態が発生するおそれがありますので,最新情報を収集するなどして,安全確保に努めてください。
(3)イスタンブール,アンカラ等の都市部においては,社会情勢等を受けて突発的にデモや衝突が発生する場合があります。状況により,付近の通行人や建物等に被害が及ぶ恐れもありますので,デモや抗議活動を認知したら不用意に近づかないなどの注意を要します。
最新の安全情報については,当館ホームページ,在イスタンブール日本国総領事館ホームページ,外務省海外安全ホームページ及び当館から発出される領事メールにてご確認ください。