勝亦大使着任挨拶
この度、駐トルコ日本国大使として着任しました勝亦孝彦(かつまた たかひこ)です。
まず、2月に発生しましたトルコ南東部地震に関し、犠牲となられた方々に心からのお悔みを、被害に遭われた方々には心からのお見舞いを申し上げます。
1890年のエルトゥールル号遭難事件を友好の原点とするトルコと日本は、両国とも地震大国であることから、ともに助け合って困難を乗り越えてきました。2011年の東日本大震災でトルコの捜索救援隊が外国の救援隊として最長期間活動してくれたことは、日本人として忘れられません。今回の地震でも日本は震災発生直後に捜索救援チームを派遣しました。また、日本から派遣された医療チームはガジアンテップ県に野営病院を設置し、約1ヶ月間、地元の皆さんの診察に当たりました。耐震建築の専門家チームも派遣され、復興・復旧に向けた支援が始まっています。今後とも、政府間の防災協力枠組みを活性化させながら、トルコに寄り添った支援を行っていきたいと思います。
トルコは私にとって、「第2の故郷」です。日本外務省は様々な言語の専門家を養成し、外交官として派遣しており、今から40年前、私はトルコ語を専門語として勉強するべく、初めてトルコの土を踏みました。その後、2回の外交官としての勤務を経て、今回大使として着任しました。40年にわたるトルコの発展を見続けて参りましたが、ウクライナ情勢にも見られるように、トルコの地政学的重要性は増すばかりです。本年はトルコ共和国建国100周年、そして2024年は日本とトルコの外交関係樹立100周年を迎えます。このような記念すべき年に日本国大使として多くの記念行事を通じて、関係の深化に邁進できることは大変光栄なことです。
長いコロナ禍も終わり、人的交流も含めた人の往来も漸く平常化して参りました。トルコからの観光客や留学生の増加といった人的交流の強化も重要と考えます。南東部地震からの復旧・復興を支えながら、両国の関係強化に向け、私自身、そして日本大使館全体として全力で努力していく考えです。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2023年5月
勝亦孝彦