着任挨拶(2025年10月)
令和7年10月25日
この度、駐トルコ日本国大使として着任しました田村政美(たむら まさみ)です。着任にあたり御挨拶申し上げます。
日本とトルコは、昨年、外交関係樹立100周年を迎えました。この節目には、日本から秋篠宮皇嗣同妃両殿下がトルコを御訪問になったほか、トルコ国内では200を超えるイベントが開催されました。1890年に現在の和歌山県・串本町の住民がエルトゥールル号遭難者を救出してから135年、1985年にトルコ航空がテヘランから邦人を救出してから40年の節目である本年には、彬子女王殿下がトルコを御訪問になりました。そして来年は、日本・トルコ協会の設立100周年を迎えるなど、日・トルコ関係にとって重要な年が続きます。
アジア、中東、ヨーロッパそしてアフリカの結節点に位置するトルコの重要性は日々高まっています。ロシアによるウクライナ侵攻やガザ紛争、シリアにおける新政権の樹立といった出来事に関連して、トルコはひときわ大きな存在感を放ち、日本においてもトルコに関するニュースを目にする機会が以前よりずっと増えました。経済規模と若い労働力を背景に、近年トルコの経済・産業分野はめざましい発展をとげています。成長しつつある国内市場という観点のみならず、中東やヨーロッパ、アフリカへのゲートウェイとしても成長しつつあるトルコは、日本にとって大きな協力の可能性を秘める国の一つです。
前述のエルトゥールル号遭難者の救出、そしてトルコ航空によるテヘランからの邦人救出は、今なお続く日・トルコ友好関係の礎となっています。この先人たちの礎を基として日・トルコ二国間の関係を発展させていくことが、駐トルコ日本国大使としての役割であると考えています。まずは在留邦人の皆さまの安心・安全確保の一助となり、当地で活躍される約300社の日本企業の活動を盛り立てていきたいと思います。
脱炭素・エネルギー、防災、海洋、宇宙をはじめとする分野は両国にとって新たなテーマとして協力の余地が多く残されています。特に地震は両国共通の課題であり、これまでも被災後の対応や防災分野において互いに支援・協力しあって来ました。いかに被災者を抑えるかという防災の観点で両国の防災の技術や知識を互いに共有していきたいと思います。
考古学をはじめとする学術交流も特筆すべき分野です。秋篠宮皇嗣同妃両殿下及び彬子女王殿下が御訪問になったカマン・カレホユック遺跡の発掘など、人類共有の遺産である先史時代の研究において、日本とトルコは協力し、大きな成果を上げています。
また、現在の世界情勢の中にあっては、日本とトルコの二国間にとどまらず、両国が協力して国際社会に貢献することも可能でしょう。日・トルコ関係はウクライナや中東情勢における協力へ進化するべき段階にあります。
駐トルコ日本国大使として、日本にとり歴史的に重要な国であるトルコとの友好関係を更に強化できるよう精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
2025年10月
駐トルコ日本国大使 田村政美
日本とトルコは、昨年、外交関係樹立100周年を迎えました。この節目には、日本から秋篠宮皇嗣同妃両殿下がトルコを御訪問になったほか、トルコ国内では200を超えるイベントが開催されました。1890年に現在の和歌山県・串本町の住民がエルトゥールル号遭難者を救出してから135年、1985年にトルコ航空がテヘランから邦人を救出してから40年の節目である本年には、彬子女王殿下がトルコを御訪問になりました。そして来年は、日本・トルコ協会の設立100周年を迎えるなど、日・トルコ関係にとって重要な年が続きます。
アジア、中東、ヨーロッパそしてアフリカの結節点に位置するトルコの重要性は日々高まっています。ロシアによるウクライナ侵攻やガザ紛争、シリアにおける新政権の樹立といった出来事に関連して、トルコはひときわ大きな存在感を放ち、日本においてもトルコに関するニュースを目にする機会が以前よりずっと増えました。経済規模と若い労働力を背景に、近年トルコの経済・産業分野はめざましい発展をとげています。成長しつつある国内市場という観点のみならず、中東やヨーロッパ、アフリカへのゲートウェイとしても成長しつつあるトルコは、日本にとって大きな協力の可能性を秘める国の一つです。
前述のエルトゥールル号遭難者の救出、そしてトルコ航空によるテヘランからの邦人救出は、今なお続く日・トルコ友好関係の礎となっています。この先人たちの礎を基として日・トルコ二国間の関係を発展させていくことが、駐トルコ日本国大使としての役割であると考えています。まずは在留邦人の皆さまの安心・安全確保の一助となり、当地で活躍される約300社の日本企業の活動を盛り立てていきたいと思います。
脱炭素・エネルギー、防災、海洋、宇宙をはじめとする分野は両国にとって新たなテーマとして協力の余地が多く残されています。特に地震は両国共通の課題であり、これまでも被災後の対応や防災分野において互いに支援・協力しあって来ました。いかに被災者を抑えるかという防災の観点で両国の防災の技術や知識を互いに共有していきたいと思います。
考古学をはじめとする学術交流も特筆すべき分野です。秋篠宮皇嗣同妃両殿下及び彬子女王殿下が御訪問になったカマン・カレホユック遺跡の発掘など、人類共有の遺産である先史時代の研究において、日本とトルコは協力し、大きな成果を上げています。
また、現在の世界情勢の中にあっては、日本とトルコの二国間にとどまらず、両国が協力して国際社会に貢献することも可能でしょう。日・トルコ関係はウクライナや中東情勢における協力へ進化するべき段階にあります。
駐トルコ日本国大使として、日本にとり歴史的に重要な国であるトルコとの友好関係を更に強化できるよう精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
2025年10月
駐トルコ日本国大使 田村政美