アンカラ日本語プレゼンテーション大会2024の結果

令和6年12月9日
アンカラ日本語弁論大会実行委員会


 
 2024年11月17日(日曜日)、アンカラ日本語プレゼンテーション大会2024が開催されました。事前選考により選ばれた13名がグループごとに下記のテーマに沿って発表を行いました。
 
  「100に関すること」 2024年は日本とトルコは外交関係樹立100周年にあたります。この100周年にちなみ、100と聞いて思い浮かぶことを自由にお話しください。

 本大会では、合計7名が入賞しました。ご参加頂いた皆様に改めて感謝申し上げます。


 



 

 
  氏名 日本語タイトル
 Aグループ
優勝 アイシェ・ヒバ・ドゥルムシュ 100で白を見る:見方で変わる無限の世界
準優勝 ジュネイト・イブラヒム・トルン 100:完璧な数字
3位 ゼイネップ・エジェ・アルトゥンタシュ 完璧を追い求めていた時に見つけた大切なこと
 Bグループ
優勝 メルヴェ・イイット 今後の100年のための翻訳
準優勝 イレム・チュナル 百年の友情を祝う中で、「100」の重要性
3位 メリサ・チャルシュカン さざれ石の巌となりて苔のむすまで
 
審査員特別賞 アルダ・ビリジ 100年の友情をサイエンスに


 
日本語専門家・森林謙からの講評:
 
アンカラプレゼンテーション大会2024に応募・出場された皆様、会場に足をお運びくださったりオンラインでご視聴くださったりした皆様、そして、審査員の方々をはじめ、運営に携わってくださった皆様、ありがとうございました。今回も無事に開催できてよかったと思います。
まず、応募・出場された皆様のチャレンジする姿勢、そして、日頃の学習成果の発表をたたえたいと思います。今回のテーマは日本・トルコ修好100周年にちなみ、「100」という数字からそれぞれの切り口でプレゼンテーションが発表されました。発表を通してそれぞれの視点や考え方の違いが見えてくるなど、トルコにおける日本語学習者の多様性をあらためて実感するとともに、聞き手、審査を担当する側にとってもも気づきや発見などのおもしろさがあった大会でした。
このような発表に対して点数として評価を行うことは非常に難しいもので、この点には全審査員に悩ましさがあったはずですが、上位入賞した発表に共通点があったように思います。それは、伝えたいこと(テーマ)の明確さ、そして、それを伝えるための表現の豊かさであったように思います。
テーマを明確にするには、まずメモでも口頭でもかまいませんが、トルコ語でも日本語でも、まずは言語化してみて、それについて「なぜ」という視点からさらに深堀りしていくことの繰り返しが重要です。そして、テーマ・言いたいことをどう伝えるか、話の構成、スライドの写真・イラスト・文字の大きさ、話すスピードやポーズ、表情から身振り手振りまで様々な要素が必要となるなど複雑で難しい点かもしれません。でも、何を?なぜ?どのように伝えたいか?他者とのやりとりや視点を取り入れながら試行錯誤を繰り返す中で、よりよいものが生まれてくるのだと思います。
実は、このように自分の考えを言語化して他者に伝えていくということは、日常生活でも何度も繰り返され、学校のレポート、面接、大学院の研究計画など、生きていく上で何度も必要に迫られたりするるものでもあり、日本語の表現に限ったものでもないことに気付かされます。プレゼンテーション大会をきっかけに、言語の持つ意味・意義、表現、コミュニケーションの在り方についてそれぞれが振り返り、よりよい自分の在り方について繋げてみるのもおもしろいのではないでしょうか。
今後の大会の継続とさらなる発展と充実、トルコの人々が日本・日本語に関わることでより豊かな人生へとつながっていくことを願っております。

 
※大会の様子は下記リンクよりご覧いただけます。
 https://www.youtube.com/live/Zvs8nSLGRWQ?si=eJD8lgoIR6ZgbCpU&t=228
 
主催       : アンカラ日本語弁論大会実行委員会(在トルコ日本国大使館/土日基金文化センター)
協力       : 独立行政法人国際交流基金、独立行政法人国際協力機構トルコ事務所、Dorak Holding、学研トルコ、H.I.Sイスタンブール事務所、住友ゴムトルコ、トルコ日清製粉 (アルファベット順)