大使挨拶

 
 新年明けましておめでとうございます。
 
  2017年9月にトルコに着任致し,早いもので1年と4か月が経過しました。これまでにトルコ国内25県を訪れる機会がありましたが,どこへ行っても地元の方から温かい歓待を受け,世界に名だたる親日国であることを自ら体感しております。両国の距離が遠く離れていても,互いに心から近く感じられることは,大変希有なことです。自らが学んだトルコの多様な魅力を多くの日本の方に知っていただきたいという思いは,ますます強くなるばかりです。
  
  トルコは欧州,中東,中央アジア・コーカサス,アフリカの結節点であり,東西南北の人,モノ,エネルギー,物流がトルコを通して各地へと流れています。実際,製造業を中心に日本企業にとって,トルコはEU市場に向けた生産拠点であり,中東・アフリカそして中央アジア・コーカサス地域への進出拠点となっています。また,トルコは360万人ものシリア難民を受け入れており,アフガニスタンやアフリカ等からの難民も含めると,難民受入数世界一の人道支援大国です。困窮する難民の方々に対し,真摯な取り組みを続けるトルコの皆様の人道的精神に,心より敬意を表します。日本政府としても,トルコにおける難民支援として,これまで約522百万ドルを供与してきました。今後も,トルコ政府と協力しながら,日本の強みを活かした取り組みを進めていきたいと考えます。
 
  今年,日本は平成から新たな時代に足を踏み出します。4月30日には天皇陛下が御退位され,5月1日に皇太子殿下が御即位されます。6月に大阪で開催されるG20サミット,そして10月に執り行われる即位の礼に出席するために,エルドアン大統領が2回訪日することが予定されております。さらに,トルコ政府により実施される「トルコ文化年2019」の下,日本でトルコに親しむ機会がさらに増えることでしょう。文化年のメインイベントである「トルコ至宝展」は,本年3月から5月まで国立新美術館で,6月から7月にかけて京都国立近代美術館で開催され,トプカプ宮殿の宝飾品約170点が公開される予定です。
 
  トルコで勤務していて感じるのは,両国間をつなぐ親愛の情だけでなく,実際に両国が互いを必要としている,ということです。トルコが21世紀にさらに躍進するためには,ヨーロッパだけでなくアジアにも関心を持ってもらうことが重要であると私は考えております。その中でも,生活の利便性やビジネス環境をはじめ,様々な点でトルコにとって日本がアジアの拠点とするに最適の場所だと確信しています。同時に,平均年齢31歳と若い人口を抱え,クリエイティビティやバイタリティを有しているトルコも,日本がその経済力や技術力を活かしながらその活力を維持してゆく上で,きわめて重要になります。
 
 経済,科学技術や防災等,日本とトルコの間には様々な協力の可能性があります。2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて,スポーツ分野やキャンプ地・ホストタウンでの交流もさらに活発になるでしょう。
 
  日本とトルコは「Two nations, one heart」である。この思いを胸に,両国関係のさらなる発展に力を尽くしていきたいと思います。

 
 
2019年1月
 宮島 昭夫
 
  
過去の大使挨拶(2018年3月)