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大使挨拶



 はじめまして,宮島昭夫です。
 2017年9月9日に駐トルコ日本国大使として赴任しました。
 歴史,文化,世界遺産,食をはじめとして,多様な豊かさと魅力をもつトルコは,日本にとって大切な友人であり,重要な国です。テロ事件やクーデター未遂と暗いニュースも続きましたが,日本国大使として,世界から注目を受けているトルコとの関係を強化する機会に恵まれたことを大変光栄に思っています。
 
 トルコが次の任地と内示された時,すぐに頭に浮かんだことがいくつかあります。一つ目は,今から遡ること30年前,初めて出張したイスタンブールでの思い出です。当時20代後半の外交官だった私は,期待と緊張が入り交じった心境で,塩野七生さんの小説「コンスタンチノープルの陥落」を携えて出張に臨んでいました。滞在中,バスで隣に座ったトルコのおじさんに「どこから来たのか」と尋ねられ,「日本です」と答えたところ,彼は満面の笑みで握手してくれました。このような経験はその後の外交官人生で一度もなく,トルコの人々の温かな印象として脳裏に焼き付いています。
 二つ目は,ニューヨーク勤務時代に,トルコ人外交官と共に汗をかいて働いた思い出です。当時,日本とトルコは共に国連安保理非常任理事国を務めており,私は安保理での両国の協力のため,トルコ人外交官と日夜,緊密に連携しながら仕事をしました。
 三つ目は,2011年の東日本大震災のトルコが派遣してくれた支援・救助隊です。私は震災翌日に首相官邸に派遣され各国救助隊の受け入れを担当しましたが,トルコからのチームは3週間もの長い間,行方不明者の捜索に当たってくれました。その時感じた感謝の気持ちは今でも心に残っています。
 
 トルコに赴任するに当たり,トルコにゆかりのある土地を訪れてみようと,和歌山県串本町に足を運びました。同地は,1890年のエルトゥールル号事件の舞台であり,日本とトルコとの友好関係の礎となった地でもあります。現地では,地元小学生による慰霊碑の清掃活動や,地元の人々による献花が欠かさず続けられていました。また,町おこしに協力するトルコ人や,トルコ文化に親しむサークルもあり,同事件以来続いている両国の絆の歴史を肌で感じました。
 
 トルコに進出する日本企業は年々増加傾向にあり,現在活動している約200社の中には,地方にビジネスを展開する企業も増えています。また,トルコ・日本科学技術大学の設立プロセスが始まると共に,シノップ原子力発電所プロジェクトも準備が進んでいます。こうした重要課題や,両国にまたがる具体的案件に対して前向きに取り組んでいく所存です。
 
 日本とトルコはこれまでも友好的な関係を築いてきましたが,私は両国を国民レベルでさらに近づけたいと考えています。現在,トルコで新海誠監督の「君の名は。」が上映され,日本でトルコの大ヒット歴史ドラマ「オスマン帝国外伝」(原題は「偉大なる世紀(Muhteşem Yüzyıl)」)が放送されています。こうした映像による日本紹介と,実際に文化体験ができる事業とを組み合わせ,日本の多様な魅力を積極的に紹介していきたいと思います。そして,現地でのこのような交流が,ゆくゆくは相互訪問の活性化へとつながり,両国国民がさらに互いを良く知り,親愛の情を深めていってほしいと願っています。
 
 自らの足で稼ぐことを大切にしながら,両国国民の架け橋となっていけるよう,努力して参ります。
 
2017年9月
宮島 昭夫